コスチュームアーティスト・ひびのこづえが描く、個性あふれるテキスタイルを、日本伝統の手ぬぐいに仕立てました。
生地には、なめらかで上質な肌触りが特徴の「特岡(とくおか)」を使用。京都の職人による、京友禅浸透染の技法で一枚一枚丁寧に染め上げています。
京友禅浸透染は、染料を生地の裏側までしっかりと浸透させるため、通常の染色方法よりも手間と時間がかかります。熟練の職人の勘と技術を要する技法で、色落ちしにくく、発色に優れ、繊細な絵柄の輪郭も鮮やかに表現できます。
使い始めはやや張りがありますが、使うほどにやわらかく馴染み、風合いが増していきます。
【柄の解説】
朝と夜。一日のはじまりと終わり。
もちろん森の中にも毎日おとずれています。
動物たちもあたらしい一日に向けてゆっくり眠って、まぶしい朝をむかえます。(ひびのこづえ)
【京友禅浸透染について】
京友禅浸透染は、注染に匹敵するほど裏側まで染料を十分に浸透させることができる、優れた手捺染です。注染では再現が難しい精緻な図柄も、鮮やかに染めることができます。
また、通常の染め方よりも時間を要し、熟練の職人の勘所を必要とします。
【特岡(とくおか)とは】
手ぬぐいや浴衣にも用いられる高級晒(さらし)生地のひとつです。
手ぬぐいに使われる生地には主に「岡(おか)」「特岡(とくおか)」「文(ぶん)」および「特文(とくぶん)」の4種類があり、それぞれ特徴があります。「岡」は30番手の細い単糸を使い織られた生地ですが、「特岡」は同じ30番手の糸を使用しながら、さらに打ち込み(織りの密度)が多く高密度に仕上げられています。
このため「特岡」は織り目がより細かく、なめらかな肌触りが特長です。
一方、「文(ぶん)」と「特文(とくぶん)」は20番手の糸を使っています。
30番手の糸は20番手よりも細いため織り目が密になり、きめ細かい風合いが得られます。
そのため、「特岡」は「文」よりも繊細なデザインや精緻な染め柄が美しく映える利点があります。